全ては吉田拓郎から始まった25(やっぱりシュガー・ケイン・トレイン)

マウイといえば,「砂糖きび列車」を忘れちゃいけませんよね。
 3年前の夫婦2人でのマウイ旅行のときも乗ったんですけど,
あの時は,例の悪天候もようやくおさまり,西へ沈み始めた太陽が
雨上がりのモロカイ島をくっきりと浮かび上がらせていて,
とってもきれいだったのを覚えています。
 ただ,海は,島から流れ出た赤土のため,にごりににごってました。
 JTBのガイドさんが,

「ふだん,あんなにモロカイ島が美しく
 見えることはありませんよ。みなさん,ラッキーですよ。」

なんておっしゃってましたから,ほぼ1日中悪天候という
「不幸」中の幸いだったのかもしれません。
あの時は,プウコリイからラハイナまでの,短いけど心休まる列車の旅でした。
若いお兄さんの例のハワイアン・ミニライヴもよかったなぁ…
 
 さて,今回の砂糖きび列車は,私たち夫婦は2回目ということで,
1回目ほどの新鮮さはありませんでしたけど,
今回は,ツアーじゃありませんから,ツアーバスにおまかせだった
前回とは違っていることがいくつかあるんです。
 
 まず,今回は,ラハイナからプウコリイ駅までという前回とは逆の
コースに乗りました。フロント・ストリートからラハイナ駅までは徒歩。
けっこう歩きましたよ。ラハイナの町って,車だとアッという間に
通りすぎてしまいますけど,歩くと意外に広く感じました。

 駅に着くと,もう最終便しかないとのこと。プラットホームのベンチで
40分くらい待ったかなあ… のんびりした時間だったなあ…
プウククイ方向の山の上には,くっきりと「L」の文字。
ツアーじゃ,こうのんびりとはいきませんよね。

その昔,砂糖きびの運搬用に使われていたという…
       *ラハイナ・ステーションにて

 ラハイナ駅での方向転換の様子をしっかり見とどけた私たちは,
そう多くない他の日本人客に混じって列車に乗りこみました。

 約40分の,の〜〜〜〜〜んびりとした時間が始まります。
マウイに行けば,もちろんいろんなマウイに出会えますけど,
この「砂糖きび列車」の旅の片道40分,心が安らぎますよね。
ああ,マウイに来たなぁ… 何度乗ってもこのことを感じさせてくれます。

運が良かったら,ウクレレ兄さんのライブが聴ける
    *のんびりと列車はプウコリイへと向かう

 でも,今回は,なぜかお兄さんのハワイアンのライヴ,なかったなぁ…
最終列車で客も少ないし,テープだけ流して,さぼってたのかなぁ。

 そして,前回と違う点のもうひとつは,プウコリイ駅に着いても
お迎えのツアーバスなんていない,ということです。
 ラハイナ行きの列車はもうないし,どうやってレンタカーを置いてる
ラハイナまで帰ろうかなぁ… 歩くにはちょっと遠すぎるよなぁ…
 悩みながらも,列車の乗員さんに「ハング・ルーズ」サインで「マハロ〜〜。」

 列車を下りれば,なんと! 神の恵みか? 仏の慈悲か?
「THE WEST MAUI SHOPPING EXPRESS」と書いてあるバスが
止まってるじゃないですか!! 

「これじゃ! これならワシらをラハイナまで乗せてってくれるじゃろう!」
おっと,興奮のあまり広島弁が出てしまいました…

 ドライバーに「LAHAINA, OK?」とかなんとか思いつきの英語で質問。
ドライバーの答えは,「カアナパリまでしか行かないよ。」
「それはないでしょ! ついでに乗っけてってくれよぉ!!」これは英語に
出来ませんでした…
 まあ,いいか。とりあえず,カアナパリまで帰って,それから考えよぉっと!
こんなことを思いながら,ドライバーに一人1ドルを渡して,
バスに乗り込んだのでした。

 そしたら…  なんて私たちって幸運な星のもとに生まれてるのでしょう!
さっきの砂糖きび列車の乗員が,自分の子どもをラハイナ駅まで運んでくれ,
とかなんとかドライバー(きっと知り合いなのでしょう)に頼んだらしくて,
カアナパリ止まりのショッピング・バスは,アッ!という間に
ラハイナ駅行きに変わっちゃいました。
 
 ラッキー!!!

 こうして私たちは,ラハイナのサンセットに間に合ったのでした。

 全ては,吉田拓郎から始まったのです。